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大国の利害が多方面からぶつかり合うパワーポリティクスの時代を安倍首相はどう乗り切るか


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安倍首相の外交構想を大きく変えたトランプ氏の当選


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■巻頭リポート


「パワーポリティクス」の2017年
外交で躓いた安倍首相の正念場


■経済政策の失敗を外交でカバーしているとさえ言われた安倍首相だが、ここにきて得意の外交で失敗が続いている。世界の構図が変わり始めた2017年は外交の正念場だ──

 2017年は「パワーポリティクス」の年になるだろう。巨大国家同士が軍事的、政治的、経済的な手段をフルに用いて互いに牽制し合い、自国の利益を最優先する。そんな中で、これまで一定の成果を上げてきた安倍外交の真価が問われることになる。
             ◇

フライング会談は
官僚たちの失点糊塗


 十一月十八日の朝、安倍晋三首相はニューヨークでドナルド・トランプ次期米国大統領と会談した。会談はトランプタワーにあるトランプ氏の自宅で行われ、会談は1時間半に及んだ。
 まだ大統領に就任していない段階で、1国の首相が会談に駆けつけるのは極めて異例。当初は2時間の予定で、間に食事が入っていたが、さすがにバラク・オバマ政権から注文が付いた。おいおい、まだオバマ政権が続いているんだぞ、というわけだ。
 日本時間で9日午後に大統領選で結果が出るやいなや、安倍官邸は猛ダッシュした。10日には主要国の首脳として真っ先にトランプ氏との電話会談を実現、そのうえでニューヨークでの会談を持ちかけた。そうした対応に「見事な対応」「満点外交」といった自賛する声が霞が関や永田町から上がった。
 なぜ、そんなに猛ダッシュをかけたのか。
 実は、トランプ大統領の誕生をまったく想定していなかったからである。開票が始まる直前まで、外務省は「接戦のうえ僅差でヒラリー・クリントン候補が勝利する」と読み、安倍首相にもそう報告していた。選挙期間中もほとんどトランプ陣営とは接触していなかった。慌ててトランプ詣でに踏み切ったのも、外務省や官邸官僚たちの「失点」を糊塗するための行動だったのである。
 はしゃいだツケはすぐに回ってきた。年末ギリギリの12月27日に、安倍首相がハワイの真珠湾を慰霊に訪れ、最後の冬休み休暇をハワイで過ごしているオバマ大統領と首脳会談を行うことになったのだ。5月にオバマ大統領が、米国の現職大統領としては初めて広島を訪問したが、安倍首相の真珠湾訪問はその段階から水面下で課題になっていた。お互いに慰霊するというのでは、現職初の広島慰霊という歴史的な快挙の価値が薄れてしまう。参議院選に向けた支持率上昇を期待していた安倍内閣にとって、「広島と真珠湾慰霊をセット」にするのは避けたかったのだ。
 8月には安倍昭恵・首相夫人が真珠湾を慰霊に訪れ、これで幕引きになるかに見えたが、オバマ政権は任期ギリギリで、きっちり「貸しを返せ」と言ってきたわけだ。真珠湾訪問の決定を会見で明らかにした際、菅義偉官房長官は、広島とセットと取られないよう慎重な言い回しを貫いていた。首脳会談といっても、休暇中に呼び付けられる格好になったわけだが、オバマ政権からすれば、就任してもいないトランプのところに駆け付けるのだから、休暇中の現職大統領のところにやってくるのは当たり前だ、ということになる。
 ではなぜ、安倍官邸はそんなにトランプ大統領の誕生に「過剰反応」したのか。これまでの安倍外交の成果が水泡に帰しかねない「危機的な状況」が起こりかねないと感じたからにほかならない。

日米関係の緊密化と
ロシアとの関係改善


 米国のみならず先進国の知識人やメディアは、こぞってトランプ氏を「危険視」し、当選はあり得ない、という見通しを示していた。日本政府のその論調と見通しにすっかり乗っていたわけだ。これに対して、トランプ大統領誕生を支持していたのは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と中国の習近平国家主席。言わずと知れた、G7(主要7カ国)など西側の利益とは一線を画す政治手法をとっている指導者である。トランプ大統領誕生で、米露関係が好転し、日米関係が軽くなれば、中国の東方進出が一気に加速することになりかねない。そうなれば、この4年をかけて積み上げてきた安倍外交が一気に瓦解しかねない事態に直面する。トランプ大統領の誕生で日本はいきなり「パワーポリティクス」の荒波に投げ出されることになったのだ。
 どういうことか。
 これまでの安倍外交は、民主党政権下でボロボロになった日米関係を立て直す一方、オバマ大統領がとことん嫌うプーチン大統領との橋渡し役を担うことで、日露関係も改善するというものだった。日本にとってロシアとの関係改善は、勢力の拡大が著しい中国との対抗上、極めて重要だというのが安倍内閣の一致した方針だった。
 民主党政権では、沖縄の普天間基地の移設問題などで日米関係が悪化。鳩山由紀夫首相はオバマ大統領とまともに会談に応じてもらえない事態にまで進んだ。一方で、韓国の李明博大統領が竹島を視察、ロシアのドミトリー・メドヴェージェフ大統領も北方領土を視察するなど、周辺国からの圧力が一気に高まった。また、12年9月には尖閣諸島国有化をきっかけに日中関係も最悪の状況に陥った。12年末に第2次安倍政権が発足した段階では、まさに四面楚歌といった状況だったのだ。
(以下、本誌をご覧ください)
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