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外務省は次官人事で永田町と霞が関を沸かせている
(写真は杉山外務審議官と佐藤優氏の自費出版著書


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■仰天人事


外務省機密費「2億円着服疑惑」男が
外務次官に上り詰める衝撃と品格


■災害は忘れた頃にやってくる……というが、こういうケースも当事者にすればそんな気分なのだろうか。1度は難を逃れたものの、出世の頂点を前に、再びその行状が問われ出して国民の目は──

 永田町と霞が関で今、20年近く前の「週刊ポスト」1997年3月7日号の以下の記事コピーが出回っている。「外務省高官の『2億円』着服疑惑」という4回連続のスクープ記事。「外務省には、年間50億円を超える機密費が事実上ノーチェックで認められている。が、その聖域化をいいことに、幹部たちが勝手に機密名目で遊興費に使ったり、T省内信用金庫U代わりにしていたらどうなるか」と追及したものだ。具体的には、当時、機密費流用の中核にいたのは元次官秘書官で「外務省若手課長の中でもエース格で、将来の事務次官候補とみられている総合政策局のS課長」が2億円以上の機密費を遊興費などに使ったという内容だ。
              ◇

「週刊ポスト」のスクープと
松尾事件の密接なつながり


 毎回6ページに及ぶ力作調査報道だったが、当時あまり問題視されなかった。関係者の名前が匿名で、外務省は無視を決め込み、他のメディアも後追いを避けたからだ。
 同様の外務省機密費疑惑がメディアで大きく報じられるのは、2001年正月元日付で「読売新聞」が抜いた「外務省機密費詐欺事件」だった。外務省ノンキャリアの松尾克俊・元要人訪問支援室長が官房機密費約9億円を詐取し、ゴルフ会員権や高級マンション、愛人へのお手当、競走馬購入などに浪費していたことが発覚。民放ワイドショーでも、「競走馬に愛人の名を付けた」などと大々的に報じられた。しかし、立件されたのは5億円分で、4億円は検察も追及できなかった。巨額の機密費を単独で使ったとも思えず、他の外務官僚に渡っていた可能性も取りざたされた。
 その後、小泉政権誕生の論功行賞で外相に就任した田中真紀子氏が外務省を「伏魔殿」と称し、徹底改革を約束して世論を味方につけたのは周知の通りだ。この事件では、松尾克俊被告が懲戒免職となり、裁判で懲役7年6か月の有罪判決を受けた。外務省では、歴代次官や官房長、大使、審議官ら大物20人が減俸、訓戒、厳重注意などの懲戒処分を受けた。しかし、彼らはやがて何もなかったかのように復活し、要職を務めた。松尾氏1人が責任を取らされた形だが、4億円の行方、責任者の所在など、闇に葬られた部分も多い。
 02年には、鈴木宗男・元官房副長官が「外交私物化」でバッシングに遭う事件があり、外務省は大揺れとなった。その鈴木氏は06年に出版した『闇権力の執行人』(講談社)で、「週刊ポスト」のスクープと松尾事件は密接なつながりがあったとし、こう書いている。
「外務省機密費を流用した錬金術は、発覚しなかっただけで、かなり以前から行われていた。以前の錬金術師はキャリアの事務次官秘書官が持ち回りで担当していた。ところが週刊誌の報道によって直接カネに触るといつ何時表ざたになって傷がつくか分からなくなった。代わりに松尾氏のようなノンキャリアがその役割を担うことになったのである」
 松尾受刑囚は、出所後はひっそり暮らし、最近の動静も不明だが、同書は「私は外務省と松尾氏の間に裏取引があるとにらんでいる。松尾氏が刑務所から出てきた後、外務省は必ず面倒を見る」と憶測している。機密費流用という点で、S氏と松尾氏の暗躍は同根だった。
 念のために書いておくが、「週刊ポスト」のスクープ報道が、例えば外務省の抗議や訂正申し入れで「誤報だった」と訂正されたり、名誉棄損で裁判になったという事実はない。つまりは、外務省は無視することでしか対応できない事実だったということなのだ。

会計検査院が
リークした可能性


「週刊ポスト」のスクープが今になって関心を呼ぶのは、同誌の機密費疑惑の中心人物だったS課長こと、杉山晋輔・外務審議官(政治担当)が、今夏の外務省人事でいよいよ外務事務次官に就任する可能性が強まったからだ。
 5月の伊勢志摩サミット(主要7カ国首脳会議)終了後に実施される外務省人事は、就任3年になる斎木昭隆次官(昭和51年)が交代し、大型人事となる。後任には一時、安倍首相お気に入りの秋葉剛男・総合外交政策局長(57年)が有力視され、大幅な若返りが図られるものと予測されたが、次官就任を悲願とする杉山氏が猛烈な巻き返しに出た。「事務次官が6年も若返るのは、霞が関の歴史でも例がない」(財務省幹部)などと他省庁からも疑問の声が出た。これを受けて、官邸側も杉山次官、秋葉外務審議官の線で調整している。
 杉山氏は外務省に近い国際法学者、杉山茂雄・法政大学名誉教授を父とし、早稲田大学法学部卒。国連政策課長、条約課長、在韓国大使館公使、在エジプト大使館公使、アジア大洋州局長を経て、13年からナンバー2の政務担当外務審議官を務めている。次官になれば、外務省では初の私大出身次官となる。「杉山氏は次官就任に向け、猟官運動に余念がない」(外務省幹部)とされる。
 だが、「杉山次官」誕生となれば、97年の報道が蒸し返されるのは必至だ。「週刊ポスト」が伝えた杉山晋輔氏の機密費流用の実態はこうだ──。
「東京・向島の料亭街では、S(杉山)氏は知らぬ者がいない有名人だ。人目を引く羽振りの原資は外務省機密費だった。料亭の請求書は斉藤邦彦次官名で決済され、支払われた。他の幹部の請求書の肩代わりまで行っていた。杉山氏と親しい幹部が使った遊興費の請求書を受け、やはり斉藤次官名で機密費から精算した。斉藤次官が1晩に4〜5軒の料亭で宴席を張ったことになっている日もある」
「杉山氏が秘書官時代の1年半に使った機密費の総額は、実に2億円を超えた。銀座の高級クラブ、料亭だけでなく、ホテルニューオータニのレストランの請求書明細には、お子様ランチがあり、外交工作に使われたとは思えないものまで含まれている」
「杉山氏はマスコミ対策にもぬかりはなかった。機密費から料亭やクラブ代、ゴルフ代を請求する理由書には、接待相手として外務省記者クラブに属する大手メディア4社の4記者の名が頻繁に登場する」
 97年当時、外務省には「報償費」と呼ばれる機密費が約55億円あり、出先の在外公館分が36億円、本省分が約19億円だった。次官秘書官にすぎない30代の1官僚が1日に何件もの料亭で宴会を開き、2億円以上も1人で使えるはずがない。疑惑を強めた会計検査院あたりが同誌にリークし、反応を見ようとした可能性がある。新聞社が後追いしなかったのは、自社の記者が機密費接待を受けた事実が暴露されるのを恐れたためだろう。
 杉山氏は機密費から流用した2億円ものカネをドブに捨てるがごとく浪費していた。「週刊ポスト」によれば、ある料亭では、裸になって肛門にろうそくを立て、座敷中を這いまわる「ろうそく遊び」に興じていたという。さらに、タクシーに乗り放題だったことから、タクシー代より安上がりといって専属公用車を支給されていたという。世の常識を超えた税金無駄遣いと言わざるをえない。
(以下、本誌をご覧ください)
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