参院選後、小沢一郎・民主党前幹事長(写真)は上機嫌が続いた。民主党大敗にあたふたする菅直人首相を尻目に、公の場に姿を見せず趣味の海釣りに興じ、側近には電話で「元気か、俺は東京にいる。雲隠れしているんじゃないぞ」と余裕を見せた。政治家たるもの、しかもこの間までの選挙責任者なら、選挙結果について国民に語ってしかるべきだが、この人にはそんな理屈は通用しない。自らの政治とカネの問題同様、説明責任は我流を通す。
鳩山由紀夫・前首相の辞任を受けた民主党代表選では、「小沢さんには静かにしていただきたい」と菅氏から喧嘩を売られ、そのまま「反小沢」包囲網の前に完敗。百三十人規模の小沢グループも、当面は「冷や飯暮らしを覚悟せざるをえない」(若手議員)とみられていた。しかし、参院選での民主党大敗は、瀕死状態にあった小沢氏の復活に格好のお膳立てとなった形だ。
「小沢さんにしてみれば、菅がこれほど早く駄目になるとは完全な誤算だったな」。小沢氏側近の一人が皮肉を込めてこう言った。そして小沢氏は代表選出馬を念頭に二つのカードを切ろうとしているという。
まずは公明党との連携だ。与党は民主党百七、国民新党三の計百十で、過半数には十二議席不足。このため当面キャスティングボートを握るのは、十九議席を有する公明党のみだ。渡辺喜美氏率いる、みんなの党は十一議席にとどまり、与党が渡辺氏と組んでもなお過半数に及ばない。
小沢氏はすでに、昨年の衆院選後から、細川政権時代に培った市川雄一・公明党元書記長らとのパイプを復活させている。
先の参院選で、公明党支持母体の創価学会は、首相が消費税アップに言及したことに強く反発。民主、自民両党がぶつかり合う二十九の一人区で、当初の自主投票を事実上撤回して自民党支援に回った。これが、一人区での民主党八勝二十敗という結果につながった。来年春の統一地方選挙でも、公明党は自民党との連携を維持するはずだ。しかし、一方で公明党は「ただちに民主党の連立はあり得ないが、政策を実現するための連携は当然あり得る」(公明党関係者)という。
そしてもう一つは、自民党の取り込みだ。小沢氏は自民党の森喜朗・元首相や古賀誠・元幹事長らとも水面下で接触していると聞こえる。こちらは大連立への布石となる。
小沢氏は、自分のこうした政局カードをちらつかせつつ代表選に自ら出馬するか、あるいは独自候補を擁立。新しい連立政権構築の方策を持たない菅政権との違いをアピールする。そして、菅氏を退陣に追い込み、代わって傀儡(かいらい)政権を発足させようという作戦だ。
いずれにせよ、時計の針をかつての自自公連立時代に戻そうとしているにすぎない。菅首相は不用意な消費税発言で、自分の政治生命を危うくしたばかりでなく、小沢氏に復活の足掛かりを与えてしまった。この罪がいかに大きいことか。
|
|
参院選後、民主党は当面、枝野幸男・幹事長を続投させたが、小・鳩体制から菅・枝体制に替わって分かってきたことがある。小沢一郎・前幹事長時代の八カ月間で約十億円の政党助成費が「選挙対策」名目で支出されていたのだ。
使途の実態は小沢前幹事長以外よく分からないという。枝野幹事長は小宮山洋子・党財務委員長に命じて、使途の詳細を調べさせている。少しずつ明らかになってきたのは、この十億円は、いわば小沢前幹事長の「つかみ金」だろうということだ。
小沢前幹事長は昨年の総選挙前も全国の各選挙区をくまなく歩き、民主党の小沢系候補者に「兵糧」を配った。候補者が小沢氏個人の金と思ってありがたくいただいた資金は何のことはない、ほとんどが民主党に配られた政党助成金だった。党財務部のスタッフの中にも小沢前幹事長につながる人がおり、詳細な金の出入りは藪の中だという。
小沢前幹事長と反小沢グループの急先鋒・枝野幹事長の業務引き継ぎは、わずか三分で終わった。小沢氏が枝野氏の顔を見たくもないという事情のほかに、小沢サイドが金の出入りなど機微に触れることを明らかするのがはばかられたからだろう。
小沢氏は「機関主義」者といわれ、政党の金と候補者の公認権を一手に握る幹事長職は組織・機関の中で最も就きたいポスト。参院選前に鳩山由紀夫前首相から「一緒に辞めよう」と言われた時は、「分かった」と言いながらも後ろ髪を引かれる思いだったにちがいない。
菅直人首相から「しばらくは静かにしていただいたほうがいい」と言われた小沢氏が、「菅・枝」と雌雄を決する戦いは九月の代表選。小沢氏本人が出馬するのか。小沢氏の知恵袋、平野貞夫・元参院議員は「展開次第で本人が出る可能性がある」とみる。展開とは、検察審査会が出す二回目の判断だ。強制起訴なら「立候補は厳しい」と、小沢側近の高嶋良充・党参院幹事長も認めている。対する菅首相、枝野幹事長サイドも闘争心は衰えていない。
|
|
| 本音は衆院解散を避けたい、公明・民主の連立はある? |
参院選で与党が大敗した結果、公明党は改選から二議席減らしながら、参院で再びキャスティングボートを握ることになった。選挙戦で民主党政権に「退場宣告」した手前、同党との「連立、連携は考えない」(山口那津男代表)とするものの、「変節」の過去があるだけに、政界で額面通り受け取る向きは多くない。
与党大敗で公明党がキャスティングボートを握る展開は、減税に関する橋本龍太郎首相の発言がブレて、自民党が大きく議席を減らした十二年前とそっくりだ。その時の公明党は、後継の小渕恵三首相からの連立樹立の打診に「ワンクッション置いてほしい」と断る一方、地域振興券の発行など政策要求を実現させ、存在感をアピール。そして翌一九九九年四月の統一地方選が終わるや、「政治の安定」を大義名分に、それまで批判してきた自民党と自由党との三党連立に一気に舵を切った。
二〇〇七年の前回参院選、昨年の衆院選と連敗した公明党は今回、候補者を立てた埼玉、東京、大阪の三選挙区で議席を維持したが、比例で前回より約十二万五千票減らすなど、党勢の退潮傾向に歯止めを掛けられなかった。九八年当時と同様、同党にとっては、来年四月の統一地方選に総力で臨み、足腰を強化することが当面の最優先課題。早期の衆院解散は何としても避けたいのが本音だ。こうした事情を考えれば、自民党やみんなの党と一線を画し、政策面で実を取り、民主党政権を追い詰めるのを避けるのは確実。そして、統一地方選を乗り切れば、同党との連立や本格的な連携に走る展開は否定できない。
|
|
参院選一人区の“天王山”となった山梨県選挙区。参院民主党のドン、輿石東・同党参院議員会長(写真)は、約三千八百票差という僅差で自民党の新人、宮川典子候補を退けたが、文字通りの辛勝だった。
一方の宮川氏、僅差の敗北にもサバサバした表情で国政への再挑戦を口にし、自民党も「宮川氏は政策も語れるし、応援団もいる。次の衆院選では、山梨一区の公認候補に推したい」(同党幹部)としており、総選挙では同区の現職、小沢鋭仁・環境相と激突しそうだ。
自民党幹部が漏らした「宮川氏の応援団」とは、「輿石氏を嫌う、財界の有志が勝手連的に宮川氏を物心両面で支援した」(事情通)ことを指す。この応援団の“要請”などもあり、谷垣禎一・同党総裁も告示日の第一声を甲府市でしたほどだ。
「日教組と財界主流が合わないのは、これまでの経緯からも当たり前」(永田町筋)であり、「小沢(一郎・前幹事長)が経団連などの財界を“無視”して、それに連なるのが輿石なら落としてしまえとなった訳だ。もちろん、米倉(弘昌・経団連会長)さんら幹部は知らないよ」(同)。
「選挙の公示前後のマスコミの世論調査では、固い組織票がバックの輿石とポッと出の宮川の差は約十五ポイントも開いていた。各紙とも『輿石優勢』と載せたが、事実上の当確報道だよ。だが、その直後から財界有志の『怒濤の支援』が始まった。投票日の一週間前で、その差は五ポイント、三日前には三ポイントにまで追い上げた」(事情通)
だが、政権与党は民主党。「これから政府・民主党がどんな形で財界の締め付けに動くか」(霞が関筋)。来年度予算案編成の隠れた“争点”の一つになりそうだ。
|
|
参院選の大敗は、昨年夏の政権交代の効果を帳消しにする大きな衝撃を民主党に与えた。敗因は明らかに菅直人首相の「消費税一〇%」発言だった。これは公示前に発表されたマニフェストから逸脱した、踏み込んだ内容であり、党内のコンセンサス抜きだった。
自らも改選組の輿石東・参院会長は消費税に前のめりの菅首相を強く牽制し、表現を抑え込んでいたのだ。だから記者会見でいきなり「一〇%」と切り出され、周囲に「選挙の時に増税を言うのはタブーなのに、そんなこともわからないのか」と怒りをぶちまけたという。
案の定、輿石氏も前項の如く苦戦。ほかの参院幹部がそろって議席を失い、いまや参院には「菅首相の責任は重い」との“恨み節”が渦巻いている。
参院で過半数を失ったため、衆院で三百超の議席を有していても「再議決」できる数に足りない。すべての法案が参院で否決されると成立しない危機的状態を迎える。このピンチを打開するために、鍵を握る輿石氏ら執行部は、これまでにない慎重かつ丁寧な国会運営を強いられることになってしまった。
そこで大きなネックになるのが菅首相だ。九月の民主党代表選に向け、いまや“反菅感情”がピークに達している参院は、こうした実情を踏まえ、小沢一郎・前幹事長や鳩山由紀夫・前首相らのグループと連携して菅首相の対抗馬を擁立、勝利して新たな代表、新内閣でねじれ国会の局面を打開することにしており、猛烈な動きを強めつつある。菅首相に再選の目はなさそうだ。
|
|
民主党が大敗した参院選で躍進した「みんなの党」に対し、米倉弘昌・日本経団連会長(写真)が露骨に冷淡な態度を取っている。投開票翌日の記者会見で、まず「消費税問題が(民主の)敗因ではない。消費税に反対する党は全部、負けた」と、「消費増税は不要」と主張するみんなの党の存在は眼中にないかの態度を示した。みんなの党の党勢拡大について問われると、あっさり「浮動票だろう」と斬り捨てた。
経団連は四月に公表した提言で、国民の将来不安の解消が、経済の持続的成長の前提となると指摘。財政健全化や社会保障制度改革に必要な財源として、消費税の段階的な引き上げを政府に求めた。それを真っ向から否定するみんなの党への違和感が、経団連内部には根強い。
また、渡辺喜美代表が自民党時代の一九九〇年代後半に「政策新人類」として頭角を現した頃から、「大衆受けを狙う言動ばかりで、パフォーマンスの度が過ぎる」(経団連幹部)との不満がくすぶる。米倉会長の発言は、それらが集積した結果といえる。
しかし、経団連の御手洗冨士夫・前会長は、安倍政権との親密な関係が裏目に出て民主党への政権交代後は冷遇され、「政治勘が悪い」(永田町関係者)と酷評された。米倉会長は財界活動歴が長く、政治との間合いの取り方も熟知しているが、さる財界長老は「御手洗氏の二の舞にならねばよいが」と気を揉んでいる。
|
|
日本と韓国といえば、歴史問題や竹島の帰属問題など、目立つのは軋轢ばかり。そんな日韓関係の常識を打ち破る自衛隊と韓国軍の連携が、地球を半周したハイチで実現した。
今年一月、ハイチで大地震が発生、日本政府は国連の呼びかけに応じて災害復旧のため陸上自衛隊約三百五十人を派遣。韓国も陸軍約二百四十人を現地に送り込んだ。日韓とも施設部隊(工兵)が主力で、瓦礫除去や道路補修にあたっている。
日韓連携が実現したのは六月上旬。倒壊した学校の解体と整地を、ともに約十人の工兵を派遣して実施。韓国軍のパワーショベルが陸上自衛隊のトラックに瓦礫を載せる場面が当たり前に見られた。七月からは、二カ所目の共同作業として結核療養所の解体作業を行っている。
陸自幹部は「イラク派遣で不愉快なトラブルがあったので、韓国軍と仲良く作業をしている姿が嘘のようです」と振り返る。イラク戦争では、自衛隊、韓国軍ともイラクに派遣され、同じ時期に隣国クウェートの基地で派遣準備を整えた。その時に撮られた写真がある。肩を組む陸上自衛官と韓国軍兵士。その後ろにハングル文字で「独島(日本名・竹島)は大韓民国領です」と書いた紙を持った韓国兵がいた。この写真は韓国のウェブサイトに掲載され、防衛庁(当時)が韓国軍の駐日武官に抗議する問題になった。
その後、ハイチで久しぶりに顔を合わせることが判明し、今年二月、韓国を訪問した折木良一・統合幕僚長は現地での連携を提案、韓国側も快く応じた。折木統幕長は「隣国の韓国と、トップ、幕僚、部隊と、各級で連携するのはとてもよいこと」と、日韓関係の“雪解け”に自衛隊が関わることを高く評価。日韓の軍事的連携が他の分野へも波及することに期待を寄せた。
|
|
財務省OBの金融界入りが話題になっている。石井道遠・前国税庁長官の東日本銀行副頭取就任で、頭取含みといわれる。国家公務員は昨年から、役所による再就職の斡旋が禁止された。禁止される前までは、離職後二年間は離職前五年間に在籍していたポストと関係がある先には就職できないとの規定があったが、斡旋禁止とともに、この「二年・五年ルール」も撤廃された。石井氏の東日本銀行入りはその第一弾といえる。
石井氏は昨年、国税庁長官を退官した後、独立行政法人「経済産業研究所」の非常勤上席研究員に就いていた。この間に自前で再就職先を探したもので、「コンサルタント会社や学者への道を模索するほか、家業を継ぐ場合を除けば、退官まもなく民間企業に再就職するケースは珍しい」(霞が関官僚)という。「二年・五年ルール」が廃止されたことで、有能な人材である財務省や金融庁のOBにとって、逆に「就活」がやりやすくなったともいえそうだ。
また行政側も、事前に現役職員を関係業界に出向させることで、将来の再就職時に役立てようという動きも活発化している。金融庁と証券取引等監視委員会が今夏の人事異動で、それぞれ係長クラスの職員二人を東京証券取引所に出向させたのは、その一例だ。
取引所の実務を把握したうえで指導・監督できる人材の育成が狙いと説明されているが、「役所主導による天下り斡旋の禁止で滞留している公務員の受け入れ先を確保するという狙いもある」(霞が関官僚)という。行政と関係業界が出向を通じて、「将来、退官後はうちの業界に来てほしいという土壌が生まれることを期待している」(同)という。
|
|
斎藤次郎・日本郵政社長の周辺がきな臭くなっている。参議院選挙の結果を受けて連立の組み直しが行われる可能性が高まっており、「場合によっては斎藤次郎社長の首そのものが危うくなる事態も考えられる」(永田町関係者)という。そこにきての、ゆうパックの遅配で、「さすがの斎藤社長も意気消沈している」(日本郵政関係者)という。
もともと民主党内には、亀井静香・国民新党代表が小沢一郎・前幹事長と調整して進めた郵政改革法案への反発も根強く、法案の大幅な修正の可能性も急浮上している。また、亀井氏が起用した斎藤社長が元大蔵省次官で、天下り批判から処遇を見直すべきとの意見もある。
さらに参院選で一議席も得ることができなかった国民新党の存在感は低下している。同党が強く主張していた郵政改革法案は実質的な郵政の再国有化といえ、衆議院を通過したとしても参議院で否決されることは必至。衆議院で再可決しようにも与党が三分の二を下回る議席では難しく、このままでは再び廃案となりかねない。
「枝野幹事長が九月の臨時国会で最重要法案としてすみやかに成立させると公約している以上、成立には全力を尽くすが、法案の中身が変更される可能性はある。その際、斎藤社長の処遇も見直されるかもしれない」(民主党議員)
斎藤氏にとって当分、眠れない日々が続きそうだ。
|
|
リーマン・ショック後、景気の一番の底は昨年三月だったが、そこから何とか盛り返せたのはエコカー減税や補助金、エコポイントのお陰だといわれる。しかし、この秋以降、日本経済が再び失速しそうな要因が追い打ちをかける。
まず、九月末でエコカー補助金が終了してしまうことだ。もともと昨年四月から一年間限定のカンフル剤として実施され、半年延長された経緯があるので、これ以上の延長はないだろう。エコカー減税はあるが、車種によって数十万円単位で違ってくる補助金制度が?落した後の自動車販売業界は相当落ち込むはずだ。
一方で、十月からタバコが値上げされる。大雑把に言って、今回は三百円から四百円へという上げ幅で、昼食一回分に近くなるため、タバコをやめる人は急増するだろう。これは、JTはもちろんだが、タスポが面倒だからと流れていたコンビニも直撃する。内食志向の高まりで弁当が売れなくなってきたコンビニにとって、タバコの大幅値上げは相当な売上減を招くはずだ。
さらに、年末一杯までで、エアコン、冷蔵庫、地デジ対応薄型テレビなど、家電製品のエコポイントも切れてしまう。となると、秋から年末、もしくは来春にかけ再び二番底が襲い、個別株はともかく、日経平均株価は再び大きく下落するリスクがあるということになる。
十月末、羽田空港の拡張で国際線化が始まるのは多少のプラス要因だが、日本の景気を下支えするほどのものにはなりそうにない。人口減少や国力衰退で、長期的には円安に向かっていくのは、かなり高い確度で間違いない。そうなると、海外から安くものが買えず、国内は縮小したまま、海外企業に国内企業が続々と買われていくような事態も覚悟しなければいけない。
|
|
全日本空輸が七月二十日から国内線の一部で生ビールの販売を開始。これまでありそうでなかったサービスだが、その理由は気圧。一般的な地上用ビールディスペンサーは高圧の炭酸ガスボンベを使って生ビールを注ぐ。しかし、気圧が低くなる上空ではボンベの圧力がさらに高まり、「爆発の懸念がある」として機内への持ち込みが禁じられている。
そこで全日空は今回、業務用厨房機器大手のホシザキ電機と専用ディスペンサーを共同開発。高圧ボンベの代わりにドライアイスを搭載し、昇華した炭酸ガスを活用することで気圧の問題を解決した。ドライアイスはビールを適温に保冷する役割も兼ねるため、電源や冷却装置も要らなくなるという優れものだ。
これを客室乗務員が手押しする飲料カートに備え付け、注文を受けたその場で紙コップにプシューとビールを注ぐ。今までにない特殊な形でのアルコール提供となるため、まずは羽田―福岡線と羽田―新千歳線の午後五時以降に出発する便、沖縄と東京、大阪、名古屋、福岡を結ぶリゾート四路線(終日)での限定販売となっている。
問題は価格だ。中ジョッキより若干少ない四百ミリリットルの容量で一杯一千円。ナッツやスナック菓子などのおつまみが付いているとはいえ、地上のビアガーデンから比べると、あまりに割高。「飲んべえ」としては、せめて二杯目の割引サービスを導入してもらえるとありがたいのだが。
|
|
スーパーの競争が激化する中で、各社が力を入れているのがネット販売だ。業界大手だけでなく、中堅どころの食品スーパー「サミット」も住友商事と組んで、生鮮食品をインターネット経由で販売するネットスーパー「住商ネットスーパー」を設立し、昨年秋からサービスをスタートしている。また、横浜を中心に神奈川県を地盤に店舗展開している食品スーパー「相鉄ローゼン」もネット通販を始めている。
こうした動きを受けて、高級食品スーパーの成城石井も本格的にネット販売に乗り出した。ある流通記者は次のように解説する。
「成城石井は、これまでに扱い品目を数十品目に絞って実験的にネット販売を行ってきた実績がある。そして、今年のお中元の時期にタイミングを合わせて本格的にスタートさせたというわけです。サイト名は『SEIJO ISHII.com』で、取り扱い品目もこれまでの数十品目から三千六百品目に拡大。基本送料は五百二十五円としているが、金、土、日曜日に一万円以上注文すると無料とすることで他社との差別化を図っている。成城石井というと、ワインのほか同社独自の商品が人気を集め、根強いファンを獲得しており、そうした品揃えも同社の強みです」
店舗販売だけでは収益が頭打ちとなっている業界が、新たな成長のツールとしてネットを活用するのは、自然の流れである。高級食品スーパーの成城石井までがネット販売に乗り出したことで、この分野でも熾烈な顧客獲得競争が展開されることになりそうだ。
|
|
小林製薬が製造・販売する商品は、「家庭用ニッチ用品」とくくる以外に表現できないほど幅広い。「こんなものが身近にあったらいいな」が社是の企業である。
そんな同社が昨年九月に発売し、大ヒット商品となったのが、電子レンジで約三分間過熱すれば焦げ目のついた焼き魚が出来上がるという「チンしてこんがり焼き魚パック」。一パックで二回使える。四パック入り三百十五円で販売されている。公にされている今年五月末時点の販売個数(出荷べース)が二百万個、売上高は約三億五千万円。
同パックの開発・製品化は、独り暮らし・焼き魚グリルなしの開発部員の、「電子レンジで魚が焼けたらいいのになあ」と思ったのがそもそもの契機。相談を受けた開発企画担当者の「ピンとくるものがあった」から五カ月、悪戦苦闘の上、商品化に至った。第一陣として生産された九十万個は、一カ月後の十月下旬には“品薄状態”に陥っている。
この大ヒット商品はたしかに受ける要素を多々揃えている。例えば一パック当たり約八十円(二回使えることを勘案すると四十円)。スーパーで出来合いの焼き魚を買うと百五十円から二百円はする。焼き立てが食べられて、なおかつ割安だ。
同社には、「社員提案制度」が構築されている。マーケティング本部に“目安箱”が用意されており、通年三万五千件以上の提案があるという。採用され、商品化に至ったモノの提案者には、年間売上高に準じて一定率の報奨金制度が導入されている。最高支給額は百万円だ。
小林豊社長の言葉を借りれば、「賞金稼ぎ魂がうちの原動力になっていると、経営者仲間から本気半分、冷やかし半分でよく言われます」とか。戦果のほどは口にこそしないが、小林氏は隠すことなく「私も毎年、三点から五点ほど提案をしています」としている。
|
|
| 民放の減収率、過去最大に。番組制作費削減の大きなツケ |
テレビ・ラジオの地上放送を運営している民放(百九十四社)の二〇〇九年度総売上高が前年度比七・八%という過去最大の減収率を記録したことが、日本民間放送連盟(民放連)のまとめで明らかになった。
民放連によると、総売上高は二兆二千四百四十三億円で、リーマン・ショックが直撃した前年度に比べ一千八百九十九億円も減少した。四年連続の減収で、減収率は一九五一年の民放ラジオ開始以来最大。テレビ局(百二十七社)に限ると、七・六%の減収だった。
広瀬道貞・民放連会長は、減収の要因について「不況の余波による広告収入の落ち込み」と説明。一〇年度は、広告出稿の回復で第1四半期が三〜四%増になるとの見通しを示し、今後への期待感をにじませた。
しかし、テレビ・ラジオ広告費の増減が、景気の好不況と連動しなくなっているのは周知の事実。とくに最近二年間で一四%という大幅な減収率は、不況のせいだけでは説明しきれない。広告主がネットに軸足を移している中、景気が回復しても放送局の売り上げが伸びる保証はまったくないのだ。
一方、最終損益は、前年度の二百十三億円の赤字から二百八十六億円の黒字に転換。最終赤字も、前年度の百七社から七十二社に減少、テレビ局は六十社から四十一社に減った。一時の危機的な状況は、やや切り抜けたようにみえる。
だが、黒字といっても、番組制作費のかつてない大幅削減がもたらしたもので、まやかしにすぎない。社員の高給はそのままで、立場の弱い制作現場を泣かせた先は「制作者の士気低下→良質な番組の減少→視聴者離れ→スポンサー不在」という悪循環だ。目先の利益を確保するためとはいえ、自分の首を締める「禁じ手」を犯してしまったツケは必ず後に回ってくる。
放送市場の縮小は、もはや止まりそうにない。坂道を転がり出したボールを止めるのは容易ではない。「かつての栄光」を取り戻そうというのは絶望的な望みだろう。
|
|
| 「八十万加入」は高望み? UQWimax一年の再出発 |
二〇〇九年夏、鳴り物入りでスタートした高速モバイル通信「Wimax」のUQコミュニケーション(UQ)が、七月でサービス開始から丸一年を迎えたが、加入者は二十万件と低迷している。最大の原因は、ネットワークの未整備。三月末までに設置した基地局は七千局にとどまり、実人口カバー率も六月末で六三%(首都圏八四%)。大都市でもつながりにくく、地方ではなおさらだ。
このため、一周年を機に、トップを野坂章雄社長に替えて体制を一新。一一年三月末をめどに「基地局を一万五千局に倍増、実人口カバー率は七〇%超」というインフラ構築に全力を挙げることなった。
加入者数も四倍増の「八十万件」に設定。達成に向けて料金の大幅割引キャンペーンを展開。家電量販店やプロバイダーと連携し、それぞれのブランドを冠したコースを用意。さらに、ケータイのauと共用できるハイブリッドカードの投入や、ケーブルテレビのJCOMへの販売委託など、次々に手を打った。
とはいえ、「Wimax」も「UQ」も、認知度は今ひとつ。サービスの説明も「そもそも」から始めねばならない苦労がつきまとう。「八十万加入」は高望み?
|
|
共同通信が六月から、加盟紙を巻き込んで携帯向けのニュースサイト「NEWSmart」(ニュースマート)を開設した。共同をはじめ地方紙やスポーツ競技団体などが楽天市場のように集まり、システム費用とマーケティングを共有する仕組みだ。参加者は八月までに西日本新聞など二十一社が加わる予定で、最終的には六十社前後に増えそうだ。
この共同通信の構想に「助っ人」として起用されたのが、意外にもライブドアの「残党」たちだった。
共同通信全体を見渡してもネットやITには門外漢ばかり。そこで起用したのが、「共同通信社デジタル戦略本部 携帯プラットホーム担当」の肩書を持つ伊地知晋一氏だ。堀江貴文氏の腹心だった人物で、ライブドアの執行役員副社長を務め、ライブドアのニュース部門を立ち上げた立役者の一人だ。共同通信の福山正喜・専務理事は「なにぶん経験がなく知恵が出ないので、専門的な知識のある人にやってもらっている」と、伊地知氏起用の理由を説明した。
その伊地知氏がライブドア退社後に、同じライブドアの役員だった山崎徳之氏らと始めたベンチャー企業が、ゼロ・スタート・コミュニケーションズである。今回、共同通信がニュースマートで採用する検索エンジンは、ゼロ・スタートの「ゼロゾーン」を採用している。
共同があえて携帯ネット事業を展開する背景には、新聞業界全体にあるネット業界への恐怖心がある。コストをかけた取材成果をネットに卸せば、ヤフーなどに安く買い叩かれ、採算に合わない。伊地知氏は「従来メディアがネット勢力に対抗できる最後のチャンスが、この一、二年。逆に、ここで反転攻勢できないと、ネットに完全にやられる」と言う。
ネット界の「ただ乗り」に異議を唱えようと、ネット界出身者が旧来メディアの生き残りの指南役になっているというわけだ。
|
|
二〇〇七年六月に締結された米韓自由貿易協定(FTA)は、米議会の承認が得られないまま棚ざらしになってきたが、オバマ政権がようやく年内にも批准に踏み切る方針に転じた模様だ。自由貿易の旗手としての立場を鮮明にするとともに、成長著しいアジアでのプレゼンス強化を狙う米国戦略の一環とみられる。
発効すれば、ほとんどの品目で相互に輸入関税を撤廃することになる。韓国にとっては米国からの農産物のゼロ関税での受け入れにつながり、農業関係者は猛反発したが、李明博(写真)政権はこれを大局的な国益論で押さえ込み、米国が批准すれば承認する方針だ。
これにより韓国企業は巨大なアメリカ市場に入りやすくなる。特に韓国国内市場が比較的小規模だったことがマイナス材料だった現代自動車やサムスンなど製造業にとって、輸出関税撤廃のメリットは大きい。安価な韓国製部品をゼロ関税で輸出できれば、日本の自動車各社のように米国に部品メーカーを引き連れて工場を造る必要がなくなる。韓国でも米国でも、コストが安く最適な場所に工場を立地することが可能だ。
米韓FTAが発効されれば、その衝撃は計り知れず、韓国と同様、貿易立国を標榜する日本にとっても見過ごせない事態となろう。米国とのFTA締結を急がないと、自動車をはじめ家電、エレクトロニクスなど日本のメーカーにとっては厳しい状況に追い込まれるのは必至だ。
|
|
北方領土では、このところ住宅の民営化が進み、すでに六〇%以上が個人住宅と化しており、将来の返還プロセスを一層複雑化しそうな状況になっている。
北方領土ビザなし訪問で国後や択捉島を訪れた日本人代表団に対し、現地行政府の幹部が公表した。
「択捉島にはギドロストロイという大型の水産加工企業があり、人口は六千二百人。住宅不足で価格が上昇し、ごく小規模な不動産市場もできていました。三部屋の木造集合住宅で、五百万〜八百万円で売り出されていました」(ビザなし渡航参加者)
旧ソ連時代は土地や住宅はすべて国有だったが、ロシアになってから一九九〇年代の市場経済移行で住宅の民営化が進み、それが北方領土にも及んできたわけだ。ロシアの法律では、私有化された住宅は転売や相続、賃貸が可能になる。
北方領土の国後、択捉、色丹三島の人口は計約一万三千人。住宅私有化は北方領土が切り売りされていることを意味し、将来の返還時には、住民への補償交渉という新たな難題が浮上することになる。
「住宅私有で住民の帰属意識が強まり、返還反対運動を強化する恐れがある。択捉島では水産工場なども民営化されており、その補償交渉も難航するだろう。すべて国営・国有だったソ連時代のほうが領土返還交渉は容易でした」(ロシア専門家)
日本政府は「住宅私有化は領土交渉に影響する問題ではない」としているが、ロシアの領土問題での強硬姿勢と併せ、返還をさらに困難にしそうだ。
|
|
アフガニスタン情勢が悪化の一途をたどっている。
オバマ政権の高官たちの間では「最近のアフガン情勢は予想以上に深刻な問題だ」とする発言が相次ぎ、米中央情報局(CIA)のバネッタ長官も公式に米主導の対アフガン軍事作戦の行く末に悲観的な見方を示した。開戦以来八年九カ月となり、今やベトナム戦争を超えて米国史上最長の戦いとなったアフガン戦争。戦死者数は一千人を超え、米現地部隊にも厭戦気分が広がっている。
ニューヨークでの九・一一テロ事件でテロへのトラウマを抱え続けている米国の外交・安保政策はいまだテロリストとの戦いが最優先課題だ。この呪縛からオバマ大統領も抜け出ることはできていない。そのため、米国の対アフガン軍事作戦の目的は、アフガンが再び国際テロ組織アルカイダや反政府武装勢力タリバンの勢力下になる事態を防ぐことに置かれている。しかし今、現地でのタリバン勢力による米軍への攻撃は激しさを増し、軍事力による解決は難しいとの声が政権内でも高まっている。
こうした中、オバマ政権の方針を批判したマクリスタル・アフガン駐留米軍司令官を更迭した事件は、現地の米軍部隊の士気を著しく低下させている。対テロ対策として米国は、イラクのフセイン政権打倒と、アルカイダの指導者、オサマ・ビンラディンをかくまうアフガンのタリバン勢力の打倒を実行した。イラクではフセインの排除に成功し、新生イラク国家に治安維持を委ねる名目で撤退を実行中だ。
一方、アフガンでは、来年七月の撤退開始後は順次、治安部隊の訓練と育成でカルザイ政権に治安権限を移譲する計画を立てているものの、汚職まみれの政権では実現不可能との見方が強い。
これまで米国と共同して戦ってきたNATO軍も、すでに撤退の具体的日程について検討を始めている。結果的に、今後のアフガニスタンは軍閥とタリバン政権が再び勢力を盛り返し、テロ勢力が温存されてしまう地域となる可能性が高くなっている。それはオバマ政権にとって命取りになることを意味している。
|
|
半導体・液晶部門の販売好調で、韓国・サムスン電子の今年上期売上高は七十二兆ウオン(約九兆円)、営業利益は九兆ウオン(約一千億円)に達した。この趨勢が続けば、今年度売上高は百五十兆ウオン(十八兆七千五百億円)、営業利益二十兆ウオン(二兆五千億円)と予想される。
一方、日本メーカーのパナソニックとソニーの昨年度売上高がそれぞれ七兆三千五百億円と七兆三千億円、営業利益が一千五百億円と三百億円の赤字だったのに比べると段違いだ。
しかし、独走するサムスンにもアキレス腱がある。まず、サムスンが海外工場設立に消極的な点、そして労組を認めない点だ。従業員に韓国最高の賃金と福祉を供与する代わり労組を結成させないというのがサムスンの考えで、これまで社員が労組を結成しようとすれば転配、減俸などの不利益を与え、活動を封じてきた。そのためか、サムスン社員八万五千人の平均勤続年数は七・九年で、他の大企業(十一・五年)より短い。
この労組禁止方針が海外工場展開の足枷になっており、数年前にドイツで労組結成を阻むサムスンの不当行為が提訴されたこともあった。
|
|
支持率低迷に悩むオバマ米大統領がクリントン国務長官(写真)とバイデン副大統領を入れ替えるのではないか、との噂がワシントン政界で飛び交っている。
ホワイトハウスの動静に詳しいワシントンCNNテレビの政治担当記者によれば、この噂は六月初め頃から流れ始めた。大統領は「バイデン氏の外交面の手腕は大したもの」、「クリントン長官は内政問題に熟知している」との発言を側近に漏らすようになったという。
この説の背景には複数の要因がある。クリントン長官はエクアドルを訪問中の六月初め、人種差別を助長すると論争の的のアリゾナ州不法移民取締法に関し、同行の米人記者の質問に答え、「オバマ大統領はアリゾナ州の新法に反対のようだが、司法省が州を提訴する」と異例の発言。
長官が所管外に踏み込んだ発言をしたにもかかわらず、大統領はこれを批判するどころか、前述の発言を周囲に漏らしたのだから、「大統領はクリントン長官を高く買っている」との見方が出るのも当然。
クリントン国務長官の夫、クリントン元大統領がオバマ政権に積極的に協力しているのも見逃せない。
五月の民主党ペンシルベニア州上院予備選では、元大統領がオバマ氏の支持する民主党候補に有利になるよう、さまざまな活動を行った事実が判明。地元メディアは「オバマ大統領の意向を受けたクリントン元大統領の政治工作」と報じた。
「クリントン副大統領」構想は、ほかならぬ大統領がかつて真剣に考慮したことがあるだけに、単なる噂話として片付けられない面がある。実際、「ワシントン・ポスト」紙には最近、「ヒラリー(・クリントン長官)を副大統領に」と主張する記事が掲載されている。
|
|
中国が保有する「米国債」はいまや九千二億ドル(二〇一〇年六月末)。ただし、長期債を七年以内の中短期債権にシフトさせた。
これは次の中国の投資行動のシグナルである。日本国債を大量に購入し始めたからだ。世界一利率の低い日本国債(一・一%は世界最低水準)を買う理由は投資の多元化と円高による利食いだろう。中国自身も「ドル下落、ユーロ不安により分散投資、通貨の多元化が目的」と発言した。
中国は〇五年から日本国債を買い出し、同年度に二千五百三十八億円。一〇年の一〜四月だけで五千四百十億円を買い増し、五月は単月で七千三百億円となった。米国債と異なり日本の国債の保有者は九七%が国内の投資家。外国投資家が過半数を占めるならともかく、この程度を保有したくらいで将来の政治的武器として中国が日本を脅すことはできない。
もっと明確な論拠がある。世界三大格付け機関、S&P(スタンダード・アンド・プアーズ)、ムーディズ、フィッチの列に、中国が参入してきたのだ。中国を代表する格付け機関、「大公国際資信評価有限公司」(英文名DAGONG)という。
これまでの中国の投資行為は基本が政治であり外交の手段であり、対米投資が重点だった。それが自らも格付け業務にも進出するということは、米国債への集中投資パターンの組み替えが主な目的のはず。米ドル、ユーロ、英ポンド、日本円から、さらには豪ドル、スイスフランも保有して通貨を多極化させ、西側のファンドなら皆が行っている日常業務に倣おうとする努力である。
|
|
中国への投資ブームを煽った有名ファンド・マネージャーといえば、『中国の時代』を著し、自ら中国語圏に移住し、娘たちには中国語を習得させたジム・ロジャーズだ。
彼は、世界一の投資家、ジョージ・ソロスの右腕として運営した「クォンタム・ファンド」の資産を数十倍に膨らませ、世界の投資家らを喜悦させた。だが、そのロジャーズさえ「中国のブームは来る。しかし到来と同時に終焉を迎えることになるかもしれない」と指摘している。
ウォール街で「中国経済の未来にはクラッシュだけが待っており、その規模はドバイの一千倍になるだろう」と予言したのはジム・チェイノス。彼はエンロンの崩壊を言い当て、空売りを仕掛けて巨富を築いた。
このロジャーズとチェイノスに続き、ロンドンの金融街=シティに新しい予言師が登場した。
ヒューゴ・ヘンドレィ。「エクレクテカ」という有数ファンドを率いる、投資の成功者だ。
彼はトラック運転手の子供から一念発起、一流大学を出てスイスの銀行を渡り歩き、独自のファンドを設立した、立志伝中の人物。
ヘンドレィもまた、「中国経済のクラッシュ」を予言して世界的な注目を浴びたが、「あたかもスタバ珈琲のように、ある時期までは急成長するが、その後の衰退必定の段階で適切な対応ができないだろう。一九二〇年代の金本位体制があっけなく終わったように、やがてユーロも終わりを告げると、間違いなく次に来るのは中国経済の瓦解だ」と言う。
当たるも八卦、当たらぬも八卦。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|