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写真(上)
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プールまである中国大使公邸と駐北京大使館(右)。
米国大使公邸はまるで王侯貴族のもののようだ


写真(上)
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税金を投入して建築が繰り返される
(左はロシア・右はフランスの大使館)
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[巻頭レポート]

懲りない外務省の犯罪的な概算要求
財務省は「小さな大使館」で反撃せよ

■あれだけ批判されながら外務省は、国民の声を真剣に聞くことができない特権意識がまだ抜けないらしい。無駄な大使館や大使公邸の新築、人員増要求はなぜ続くのか――

7、8年の海外勤務で蓄財4,000万円也

 来年度の予算編成をめぐって、外務省と財務省が火花を散らしている。大使館増設、定員増、勤務手当増額に向けて予算増を求める外務省に対し、歳出削減を推進する財務省側は「特別扱いはできない」として拒否している。外務省の概算要求をめぐるこの論争は、明らかに財務省が正しい。外務官僚らが「外交力強化」という名目の裏で、どんな特権生活を海外で営んでいるか。以下のエピソードを知れば、国民の大多数は圧倒的に財務省を支持するだろう。
           ◇
 外務省の告発を続ける論客の佐藤優氏(起訴休職外務事務官=24ページ参照)は「月刊現代」7月号で、30代の外務省キャリア職員の預金通帳残高が7,000万円もあることを、捜査した検事の話として明らかにしている。
 この職員は4年前、「北方支援事業」の国後島ディーゼル発電施設をめぐる汚職事件で三井物産から賄賂を受けたとして、佐藤氏とともに逮捕された前島陽氏(当時37歳)だろう。
 佐藤氏によれば、取り調べの中で検事は、「だから彼が三井物産からカネをもらっているんじゃないかと思って調べたんだ。しかし、出てこない。彼は外務省で共働きなんで、10年でこれくらい蓄財できたんだ。他の外務省の連中も同じくらいカネをもっている。それだから外務省の人たちの常識が世間一般と異なっているんだと納得したよ」と述べ、外務官僚の特権ぶりに驚いていたという。
 前島氏は裁判で有罪となり、退職したが、夫人も外務官僚で、ともに外国生活を繰り返した。佐藤氏は「外務省の在外公館に勤務する外務官僚は、本給とは別に在勤基本手当を受給する。在勤手当には、基本手当、配偶者手当、住居手当、子女教育手当などがある。このカネは完全な掴み金で、在外職員全員に支給される。課税を免れ、精算手続きは一切ない。仕事をしなければしないほどカネが貯まる仕組みになっている」と書いている。
 佐藤氏によれば、在外公館に7、8年勤務し、情報収集を行わずに在勤基本手当を貯め込んだら、4,000万円程度の蓄財ができるという。前島夫妻も在勤手当を本来の情報収集活動に使わず、2人でせっせと貯め込んだのだろう。ちなみに捜査に協力した前島氏は現在、外務省の外郭団体に勤務しており、外務省側が前島氏の“司法協力”に報いた模様だ。

陣容は半分で足りる在モスクワ大使館

 それにしても、公務員の共稼ぎが37歳で7,000万円も貯められるとなると、毎年節約して税金をせっせと納める庶民や、給与水準の高くない他の公務員はあいた口がふさがらない。
 佐藤氏は、在モスクワ日本大使館をモデルに外務官僚の蓄財・厚遇ぶりを告発しているが、モスクワの大使館にはスタッフが実に100人もいる。実はこれが多すぎるという批判が、すでに在留邦人の間からも出ているのだ。なにしろ在ワシントン大使館に次ぐ陣容を備えながら、ご承知の通り肝心の北方領土問題は後退の一途だ。政府開発援助(ODA)などの経済協力もなく、平和条約もないのに、どうしてこれほどの館員が必要なのかという疑問は当の大使館内にさえある。
「7月のサンクトペテルブルク・サミット(主要国首脳会議)で大使館から半数がサンクトに出張したが、館内の業務は50人で十分処理できた。スタッフは今の半分でまかなえることが分かった」(在モスクワ大使館員)
 大使館員が多すぎることを自ら示した好例というわけだ。
 佐藤氏によれば、在モスクワ大使館でアルバイトをしている大学生の派遣員の報酬は手取りで40万円。家賃補助は上限が月額約35万円という。こうした派遣員も20人近くいて汚れ仕事を押しつけられているが、学生にとっては最高のバイトだろう。ちなみにモスクワでは、大手企業の支店長クラスでも家賃補助は15万〜20万円が相場。民間を無視した殿様レートなのだ。
 概算要求をめぐる論争で財務省側は、米ワシントンに勤務する入省15年目の1等書記官をモデルに、月額の総支給額は131万6,000円となり、同条件の国内勤務に比べて1.7倍に及ぶとし、給与が高すぎると指摘した。上乗せ分が佐藤氏のいう在勤基本手当だが、住宅手当や配偶者手当、子女教育手当が膨らめば、給与は国内勤務の2倍以上だろう。
 ある財務省高官は、「生涯賃金で言えば、外務官僚は財務官僚の2倍以上もらっている」と打ち明けた。大使経験者が必ず高級地に別荘を持っていることも、これでよく分かるというものだ。
 外務省側は、「ワシントンの1等書記官の手当は世界的に見て低すぎる」として増額を求めている。その狙いは、基準となるワシントンの外交官の手当増額によって、全在外公館の館員所得増を狙っているとみられるのだ。
 こういう厚顔無恥な外務省の要求に、財務省側の反論はまだまだ甘すぎるといわざるをえない。外務官僚の贅沢な無駄遣いを示すエピソードは山ほどあるのだ。

不要だった? 高級ホテル利用

 数年前、インターネットのブログ・サイトにこんな溜め息が載った。
「チョーむかつく。こっちは昼飯290円の牛丼で我慢し、税金納めているというのに、1泊20万円のスイートとは……」
 これは、パリのフランス大使公邸修復に際して、小倉和夫大使が1泊20万円の高級ホテルのスイートルームを公邸代わりに使っていたことを指弾したものだ。小倉大使の問題は国会で野党の民主党議員が提起し、当時の飯村豊・外務省官房長は「大使公邸は40日かけて改修工事が行われ、小倉大使はその間、パリ中心部のブリストル・パリホテルのスイートに宿泊、宿泊費は1,000万円以上に及んだ」ことを認めた。
 その際に飯村官房長は、「大使公邸は居住施設にとどまらず、外交活動の拠点として相手国政府関係者との会合など公的な機能を果たす」と述べ、問題はないとの認識を示した。しかし、外務省当局者によれば、修復工事は各部屋ごとに行われたため、小倉大使は必ずしも滞在先をホテルに移さなくても公邸で「公的な機能を果たす」生活ができたはずだという。
 外務省幹部の公金横領など、多くのスキャンダルが噴出する最中のこの無神経ぶりも国民を唖然とさせた。ちなみに、小倉大使は日米同盟関係に批判的な反米主義者であり、日本の戦前の中国侵略などを糾弾する謝罪主義者。自民党政権の路線とは明らかに異なるが、国際交流基金の理事長に天下りした。飯村官房長は現在、駐仏大使。国会答弁の路線に沿って、公金を自在に活用していることだろう。
 パリでは大使公邸が多額の公金を使って修復され、贅沢な公邸となったが、このところ世界各地で日本の在外公館が次々に新築・改築されていることも気になるところだ。
 モスクワでは100億円かけて新しい日本大使館が建設され、来年春に移転する。モスクワのある商社マンは「たしかに現在の大使館は古いが、多くの進出日本企業もソ連時代の狭くて汚い建物で我慢している。みすぼらしいほうが、北方領土占拠など、戦後ソ連が日本に加えた仕打ちに抗議する意味合いがある。大使館新設は平和条約が締結されてからにしてほしかった」と指摘する。北方領土問題は後退する一方なのに、外務官僚は外交成果とは関わりなく、自らの居心地のよさを優先するのだ。
 在ロ大使館の問題は、単に新築のことだけではない。新大使館移転後も現在の大使館オフィスを大使館側がそのまま倉庫として使用し、家賃を支払い続ける方針であることだ。現在の大使館は大使公邸と隣り合わせで、大家のロシア外務省外郭団体は両者をパッケージでしか貸与しないとしているからだ。新大使館には広大なスペースがあり、そこに大使公邸を造ればいいものを、それを避けたことで、膨大な税金が投入されることになる。
(以下、本誌をご覧ください)
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